製品 / UHP 毛細管
UHP 極細ステンレス毛細管
内径0.2〜1mmの極細ステンレス毛細管。化学研磨による内面処理で、表面の平滑化に加え、Cr/Fe比の向上・清浄化により耐食性を高めます。機械研磨・電解研磨では対応が難しい極細内面を、独自開発の専用装置で処理します。半導体・分析機器向けの高純度用途に対応。

「平滑さ」だけでは、語れない内面品質
表面粗さ(Ra)は、機械研磨でも一定の値まで到達できます。しかし流量計・センサー・半導体流路において、部品の寿命と清浄性を左右するのは、Raの絶対値ではなく、表面の「化学的な状態」── Cr/Fe比、不動態皮膜、残留応力・汚染の有無です。当社の化学研磨は、内面を平滑にすると同時に、この化学的な品質を作り込みます。
化学研磨で得られる内面品質
Cr/Fe比の向上・耐食性
表面のCr/Fe比を高め、Cr濃縮不動態皮膜の形成を促進。表面の化学組成を変えない機械研磨では得られない効果です。
残留応力・污染の除去
機械加工で生じる加工変質層・残留応力を除去。埋め込まれた粒子・油脂などの污染を溶解除去し、内面を化学的にクリーンにします。
無バリ・平滑な鏡面
バリを根元から優先的に溶解し、二次バリを残しません。内面は平滑な鏡面に仕上がり、流体抵抗・粒子発生を抑えます(Ra 0.17µm・実測)。
実測データ
化学研磨前後の内面粗さ比較(内径0.2mm・レーザー顕微鏡測定)。

| 測定方法 | レーザー顕微鏡による測定 |
| 評価長さ | 46.29µm(研磨後) |
| 測定値(研磨後) | Ra 0.17µm / Rz 0.57µm / RzJIS 0.45µm |
| 測定値(研磨前) | Ra 0.45µm / Rz 2.34µm / RzJIS 1.18µm |
| 測定位置・n数 | [測定位置・サンプル数を記入] |
Cr/Fe比・表面化学分析について
当社の化学研磨は、表面のCr/Fe比を高め、耐食性を向上させることが可能です。ただし、その効果は薬液・プロセス・母材品質に依存します。当社の化学研磨プロセスは、SEMI規格に準拠した米国 RJ LEE Group 等の第三者機関による測定実績があります(※別製品・別材料での参考データ)。本毛細管製品についても、今後 RJ LEE Group 等での測定を予定しています。

※ 上図は別材料での測定例です。Cr/Fe比の到達値は母材品質にも依存します。詳しくは「分層承諾」の項をご覧ください。
全11工程の一貫プロセス
BA管・MP管を素材とし、洗浄から化学研磨・钝化・多段洗浄・窒素乾燥まで、全11工程を一貫して管理します。用途に応じて、普通UHP級/超級UHP級の仕上げに対応します。

01
毛細管セット
02
超音波脱脂洗浄
03
水洗
04
化学研磨
05
水洗
06
不動態処理
07
温水洗浄
08
超音波洗浄
09
超純水洗浄
10
窒素乾燥
11
梱包・出荷
緑色の工程(化学研磨・超音波洗浄)が、内面品質を決定づける中核工程です。仕上げグレードに応じて、普通UHP級/超級UHP級に対応します。
※ 各工程の詳細な条件は、当社ノウハウのため非公開とさせていただきます。
仕様
| 材質 | SUS316L(VIM+VAR 二重真空溶解材) |
| 内径 | φ0.2mm 〜 φ1.0mm(最小 φ0.2mm から対応) |
| 代表仕様 | φ0.4 × φ0.2 × 100mm |
| 長さ | φ0.2mm:1本あたり最長100mm(切断はお客様側で対応) |
| 内面粗さ | Ra 0.17µm(実測) |
| 供給単位 | 本数単位・ロット供給(円/本) |
| 表面化学分析 | 第三者機関(RJ LEE Group・SEMI規格準拠)による |
品質数値と母材について(重要)
表面化学品質(Cr/Fe比・不動態皮膜)の最終数値は、母材品質と化学研磨プロセスの両方に依存します。化学研磨は表面状態を大きく改善しますが、母材が持つ上限を超えることはできません。
・自社供給材による製品:仕様数値をお約束します。
・お客様支給材の受託加工:プロセスによる改善を保証し、最終数値は母材に応じてご相談します。
用途
半導体設備
UHP気液流路、マスフローコントローラー、圧力・流量センサー接続配管
分析機器
クロマトグラフィー、質量分析計などの微少流量ライン
医療・検査機器
生体検査・免疫検査装置などの微少流路部品
対応範囲・ご留意事項
- 内面粗さの実用的な下限は Ra 0.1µm 前後です。それ以下(Ra<0.05µm 等)が本当に必要かは、用途に応じてご相談ください。粗さの絶対値より、Cr/Fe比・清浄度・無応力といった内面品質が性能を左右する場合があります。
- 検査成績書は、当社に自社測定設備がないため、標準では添付しておりません。表面化学分析は第三者機関への委託測定となります。
- 最小ロット・納期は、仕様・数量に応じてご相談ください。
- チタン・銅材にも対応可能な場合がありますが、主力はステンレス(SUS316L)です。
サンプル・仕様のご相談
実物サンプルのご依頼、内径・長さ・数量のご相談を承ります。加工可否のご判断も、図面を添えてお気軽にお問い合わせください。
