受託サービス

精密小型部品の化学研磨

化学研磨は浸漬処理のため、薬液が接触する面全体に作用します。砥粒や電極が物理的に入らない微細穴・入り組んだ形状にも対応できるため、他の研磨方法では処理が難しい部品を数多く手がけています。支給材料への研磨のみでも、図面段階からの機械加工とセットでも対応します。

対応可能な加工対象

面粗さ・洗浄度・耐食性が求められる精密小型部品を中心に承ります。

極細毛細管・細管

専用装置で内部まで均一に処理

ベローズ / 蛇腹管

蛇腹内部の液交換に対応

微細穴部品

砥粒が入らない部位も処理

入り組んだ精密部品

浸漬処理で全面に作用

対応材質:SUS(ステンレス)を主とします。チタン・銅材については個別にご相談ください。サイズは処理槽に収まる範囲となりますので、寸法とあわせて図面をお送りいただければ対応可否を回答します。

細径部品の螺旋溝部における化学研磨の前後比較:溝底部まで均一に処理された表面状態
細径部品の螺旋溝部 化学研磨 前後比較

細径部品の螺旋溝部を化学研磨した例です。溝の底部まで均一に処理されています。この形状では砥粒による研磨も電極の挿入も物理的に困難ですが、化学研磨は薬液が接触する面全体に作用します。加工時に生じたバリは根元から溶解するため、二次バリが残りません。

二つの受託形態

お手元の状況に応じて、二通りの形でお受けしています。

A

支給材料の化学研磨

加工済みの部品をお送りいただき、化学研磨を行います。機械的な処理が届きにくい微細形状・複雑形状の精密小型部品を数多く手がけています。バリ取り、面粗さの改善、耐食性の向上を一工程で行えます。

B

図面対応(機械加工+化学研磨)

図面段階からお受けします。機械加工は長年取引のある協力工場が担当し、加工後の部品を弊社で化学研磨まで仕上げてから納品いたします。図面に電解研磨の指定がある場合も、形状によっては化学研磨で対応できます。

当社の強み

薬液が届きにくい形状への対応

化学研磨は浸漬処理ですが、形状によっては薬液を内部まで均一に行き渡らせることが難しくなります。当社は、この課題に対応する専用装置とプロセスを自社で開発してきました。

蛇腹内部の液交換

蛇腹状の内面は、山と谷で薬液の流れが変わるため、均一に反応させることが従来困難とされてきました。この形状に対応する専用の洗浄・研磨プロセスを確立しています。

極端に長いアスペクト比

内径に対して極端に長い管では、内部の薬液が入れ替わらず、長さ方向で反応にばらつきが生じます。市販の装置では量産条件を再現できないため、専用装置を自社開発しました。

微細穴・入り組んだ部位

砥粒や電極が物理的に入らない微細穴、止まり穴の裏側なども、薬液が接触すれば処理できます。部品ごとに治具と条件を検討します。

加工可否のご相談は、図面を添えてお問い合わせください。

加工で得られる表面品質

化学研磨により、表面は以下の状態に仕上がります。

平滑な鏡面

微視的な凸部が優先的に溶解し、表面が平滑化されます。流動抵抗の低減と、パーティクル発生の抑制につながります。φ0.2mm毛細管の内面でRa 0.17µm(レーザー顕微鏡実測)。一般部品の表面処理では、より低い値に達する場合もあります。到達できる面粗さは、形状と材質によって異なります。

無バリ

バリは根元から優先的に溶解するため、二次バリが発生しません。機械研磨や電解研磨では処理しにくい交差穴・止まり穴の内部でも、薬液が到達する範囲であればバリが除去されます。

低吸着

機械加工で切断された表面の未結合手は、化学研磨により水酸基・水素基で終端されます。異種電荷を帯びた微粒子の吸着が起こりにくくなり、清浄度の維持に寄与します。

高耐食

表面が不動態化され、耐食性が向上します。SUS316L-2B板を10% 塩化第二鉄(FeCl₃)溶液に室温浸漬した試験では、48時間後の腐食量が未処理材を大きく下回りました。通常酸洗・特殊不動態処理との比較データがあります。

Cr/Fe比向上

表面のCr/Fe比が上昇し、クロム濃化した不動態皮膜が形成されます。表面化学分析は、RJ Lee Group(米国)等の第三者機関にSEMI規格準拠で依頼しています(参考データは別製品・別材料による測定)。到達値は母材の品質に依存し、母材が決める上限を超えることはできません。

耐食性の比較データ

SUS316L-2B板を10% 塩化第二鉄(FeCl₃)溶液に室温で浸漬し、処理条件ごとの腐食の進行を比較したものです。未処理材、通常酸洗材、特殊不動態処理材、化学研磨材の4条件を同時に試験しています。化学研磨材は48時間経過後も腐食の進行が最も抑えられています。

SUS316L-2B板の耐食性比較(10% 塩化第二鉄溶液・室温浸漬)

機械研磨面との表面状態の違い

機械研磨と化学研磨では、仕上がった表面の状態が根本的に異なります。RJ Lee Group(米国)に依頼したSEM観察(3500倍)では、機械研磨面に加工方向の条痕が残るのに対し、化学研磨面では条痕が消え、結晶粒界が現れた状態が確認できます。条痕の谷は微粒子や油分が残留しやすく、洗浄しても除去しきれない場合があります。化学研磨は表面を溶解によって整えるため、こうした残留起点そのものが生じません。

SEM観察による表面比較:機械研磨面には加工条痕が残るのに対し、化学研磨面は結晶粒界が現れた平滑な状態(3500倍・SUS316L)
RJ Lee Group(米国)によるSEM観察(3500倍・SUS316L V+V)/左:機械研磨面 右:化学研磨面

※ 参考データです。別製品・別材料による測定であり、キャピラリー製品の測定ではありません。

ご依頼の流れ

STEP 01

お問い合わせ

図面・仕様・ご要望をお送りください。加工可否を回答します。

STEP 02

お見積り・条件確認

数量・仕様に応じてお見積りします。秘密保持契約が必要な場合は対応します。

STEP 03

試作・評価

必要に応じて試作を行い、仕上がり品質をご評価いただきます。

STEP 04

量産・納品

仕様確定後、量産対応します。化学研磨は大ロットの安定量産に適しています。

加工可否から、ご相談ください

「この形状・寸法は研磨できるか」といったご相談も承ります。お気軽にお問い合わせください。

技術相談・お見積り依頼

加工可否や仕様のご相談はこちら

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または、下記のアドレスへ直接メールにてお問い合わせください。

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